命名書の相場と価格の違いー選び方で変わる価値
出産準備のひとつとして注目されている「命名書」。赤ちゃんの誕生を祝う証として、近年では撮影小物やインテリアとしても人気が高まっています。とはいえ、実際に調べてみると価格がピンキリで、どれを選べばよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。本記事では、命名書の価格帯がなぜここまで幅広いのか、そして選び方でどのように価値が変わるのかを、書道を専門的に学んだ書家の視点から解説します。
命名書の一般的な相場 なぜこんなに幅があるの?
命名書の相場は、大きく1,000円台~数万円と非常に幅があります。この差が産まれる最大の理由は「制作方法」と「作家の技量・経験」です。
1,000円台~3,000円台の命名書の多くは、テンプレートに名前を配置して印刷するタイプで、スピードと価格の手軽さが魅力です。一方書家が一枚づつ筆で書く手書きの命名書は、制作に時間と技術が必要なため、5,000円~2万円以上になるケースも珍しくありません。また、紙の質、額装の有無、デザイン性によっても価格差が生まれます。
特に手書き作品は「世界に1枚」だけ」という価値観があり、お祝い用として選ばれることが増えているように思います。価格だけで見ると高く感じるかもしれませんが、その裏には筆者の知識、技量、表現力が詰まっているのです。
高い命名書」の正体 技術料とセンスが生み出す価値
「書」とは、ただ字が書けるかどうかではなく、「線の質」「余白(空間の美)」「筆遣い(リズム・流れ)」「字形(文字の造形への理解)」で大きく印象が変わります。これは、お習字ではなく書としての美しさをどれだけ理解しているかで決まります。
私自身、書道を大学で専門的に学び、実技と理論の両面から文字と向き合って気ました。文字の疎密、空間の取り方から用具用材、紙の性質、墨のことなど知っているからこそできる表現があります。そして、その知識や技量を作品に落とし込むためには「経験」と「感覚」という積み重ねも必要です。私も今年で31歳、まだまだ経験不足ではありますが、その時の精一杯をお届けしています。
高価格帯の命名書には、作家の技術・センス・経験値がそのまま反映されている事が多いです。ただ、私が見てきた中で、価格と技量が見合っていない作家さんがいることも事実です。SNSのフォロワー数だけで決めないでほしいな、、、。と勝手ながら思ってしまいます。とはいえ、お客様が「なんとなくいいな」と感じてくれる裏側には、見えない努力がたくさん詰まっているということも知っていただけたら幸いです。
失敗しない命名書の選び方 価格よりも見るべきポイント
命名書を選ぶとき、もちろん価格は重要です。しかし完全に個人的にではありますがほかにも注目してほしいポイントがあります。以下のポイントをチェックすると、自分に合う作品が見つけやすくなります。
①作家の作風が好きか
作品ギャラリーを見て、「この雰囲気が好き!」と直感的に思えるかどうか。これが一番の判断基準になります。この時に複数の命名書を見て「比較」すると自分の好みが分かりやすいかと思います。
②手書きかどうか
手書きは一点の物としての価値が高く、不思議と「温かさ」を感じます。また同じ人が書いても、全く同じ線にはなりません。その一回性が、印刷などには絶対に出せない魅力です。私は書を愛しているからですが、俄然、手書き文字推しです。
③政策背景・技術
何を学んできた作家か、どんなこだわりをもって書いているか。技術や知識に裏付けされた命名書は、線と空間(文字造形も含め)に深い美しさがあります。
④写真との相性
命名書はニューボーンフォトや百日祝いなどにも使われるため、写真映えや撮りたい雰囲気に合っているか、写真映えするかも意外と重要だと思っています。
価格が高い作品には理由があり、安い命名書にも利便性という価値があります。大切なのは「自分の好みと目的に合うものを選ぶこと」。命名書はただの紙やインテリアではなく、子供の人生の始まりを刻む想いのこもった特別な記録です。
選び方で変わる価値 価格ではなく「誰に頼むか」
命名書を選ぶ際に大切なのは、ただ安いか高いかではなく、作品を見たときに「この人に書いてほしい」と感じられるかどうかです。文字の表情、命名書の雰囲気、自宅に飾ったときのイメージ。どのポイントに価値を感じるかは人それぞれです。だからこそ、価格だけで判断せず、「作品から伝わる温度」を基準に選ぶことが、結果的に満足度の高い命名書に繋がります。
また、命名書は一度作れば一生残るもの。おこがましいかもしれませんが子供の成長を見守り、応援したり、背中を押してくれる存在にもなればいいなと思っています。
おわりに
命名書の価格には、作家の経験、技量、用具用材の質、制作時間など、目に見えない価値も含まれています。あなたが選ぶ一枚が、我が子の節目を彩る「未来への贈り物」となるよう、作品の質を大切にしながら選ぶことをおすすめします。いろいろと述べてきましたが安さではなく「想いを託せるかどうか」。その視点こそが命名書の本当の価値を決めるポイントです。私も選ばれる命名書になるように誠心誠意努力していきたいと思います。
